# プレゼン原稿の模範例 「定例会議を減らす」を題材に、対話で具体を引き出し、心が動く原稿に変わるまでの一周。会議の議題の1つとして話す、約2分の短いプレゼンの例(数十秒でも、自分の意見を伝えて通す場面はプレゼンに含む)。 ## 目次 - 元原稿(説明だけの発表) - 対話の流れ(例) - 完成した原稿(具体を渡した後) - 何が変わったか(Before / After の対応表) - たとえをAIが出す(体験がない場合の例) --- ## 元原稿(説明だけの発表) 提案スキルで作った、ビジネスライティングとしては十分な発表原稿。結論も先、数字の根拠もある。だが心は動かない。 ``` 定例会議の進め方について、提案があります。 結論から言います。報告中心の定例3本を、隔週の開催に、変えたいです。 いまの定例は週7本、あわせて週12時間。 うち、報告だけの3本が、週3時間を占めています。 隔週にすれば、月に6時間、年で約70時間が空きます。 報告は、前日に資料を共有すれば、読み上げなくても回ります。 まず、この3本から、隔週に。ご承認いただけないでしょうか。 ``` 全部正しい。だが全部「説明」で、どこの会社にも貼れる=誰のプレゼンでもない。ここに足りないのは、絵・賭け金・弱さ・原体験。 ## 対話の流れ(例) 元原稿から結論・数字は流用できるので聞き直さない。足りない具体だけを1問ずつ掘る。 > AI:この提案、誰に、どんな場で、何分くらい話しますか? 定例の見直しなら、週次の全体会議で、議題の1つとして話す形が多いですが、どうでしょう? > ユーザー:そうです。会議のみんなの前で、議題の1つとして。2分くらいです > AI:2分ですね。問いを開いて絵で閉じる波は1〜2回、山場の絵は1つに絞ります。今の困りで、実際に見た場面はありますか? 直近の定例を、スローモーションで思い出してみてください > ユーザー:先週の定例。30分のうち、25分が資料の読み上げ。7人いて、口を開いたのは、2人だけでした > AI:その場面、強い絵になります。このまま何もしなければ、何を失いますか? > ユーザー:報告を聞くだけの時間が、年150時間。1ヶ月分です > AI:あなた自身の、正直な気持ちはどうでしたか? 半信半疑だったこと、当たり前だと思っていたことがあれば > ユーザー:私も長いこと、この会議を当たり前だと思って、疑うことすらなかった。先週、ふと周りを見たら、全員が同じ顔をしていて > AI:そもそも、なぜ変えたいと思ったんですか? > ユーザー:その時間で、本当はやりたい仕事が、あったからです > AI:材料が揃いました。原稿を作ります ## 完成した原稿(具体を渡した後) ``` 先週の定例会議。30分のうち、25分が、資料の読み上げでした。 7人いて、口を開いたのは、2人。 ──報告だけの定例3本を、隔週にしませんか。 あの読み上げを聞くだけの時間が、1年で150時間。 まるまる1ヶ月分が、毎年、消えています。 正直に言うと、私も長い間、この会議を当たり前だと思って、 疑うことすら、ありませんでした。でも先週、ふと周りを見て、 全員が同じ顔をしているのに、気づいたんです。 やり方は、シンプルです。報告の3本を隔週にして、 資料は前日に共有する。それだけ。 それだけで、年に70時間ちかく──消えた時間の半分が、戻ります。 ずっと後回しにしてきた、やりたかった仕事に、手がつけられます。 まず、報告の3本だけ。1ヶ月、試させてもらえませんか。 ``` ## 何が変わったか(Before / After の対応表) 企画の中身は同じ(定例3本を隔週に)。変わったのは、渡した具体だけ。 | 6ステップ | 元原稿 | 完成した原稿 | |---|---|---| | ① フック | なし(いきなり本題) | 沈黙の場面の絵(7人中2人) | | ② 結論 | 先にある | 先にある(維持) | | ③ なぜ | 数字のみ | 絵 + 賭け金(年150時間=1ヶ月分が消え続ける) | | ④ どうやって | ある | 短く維持 | | ⑤ どうなる | 数字のみ(年70時間) | 数字 + 原体験(やりたかった仕事に手がつく) | | ⑥ お願い | ある | 小さく・試しやすく(まず3本だけ、1ヶ月) | | 弱さ | なし | 「私も当たり前だと思っていた」(ひと言・穏やかに) | 注意点: - 原稿に出てくる絵は、すべてユーザーがインタビューで渡したもの。AIが場面を足していない - 賭け金は150時間、回収は「半分=70時間」と正直に。盛っていない - 弱さは「内職していました」のような告白ではなく、堅い場でも出せる穏やかな自己開示にしている - 分量は約400字=渡された尺(2分)に収まる。尺が5分、10分と長い場合も6ステップは同じで、「問いを開いて、絵で閉じる」波の数を増やして分量を設計する。山場の絵は1つのまま増やさない ## たとえをAIが出す(体験がない場合の例) 自分が実際に見た場面がないときは、聞き手に身近なたとえで補う。たとえの案出しはAIの得意技。 > ユーザー:その現場には行ったことがなくて、見た場面がないんです > AI:では、身近なたとえで絵にしましょう。「会議の資料の読み上げを聞いている時間」を、誰でも知っている場面にたとえると、こんな案があります。 > ・朝礼で、長い校長先生の話を聞いている時間 > ・機内で、毎回同じ安全ビデオを見せられる時間 > ・説明書を音読されるのを、隣で聞いている時間 > 聞き手にいちばん近いのは、どれですか? > ユーザー:校長先生の話が、いちばん伝わりそう 選ぶのは必ずユーザー。聞き手を知っているのはユーザーだけ。