# コミットレポートツール GitHubのコミットをAIで分析し、図解レポートをSlackに自動投稿するツールです。愛称は「コミネコ」。 このツールは GitHub のコミット履歴を分析してレポートを生成します。**Git でコミットする運用が前提**で、Google ドライブやローカル保存など他の方法では使えません。 ``` ┌──────────────────────────────────────────────────────────────┐ │ 📊 昨日の開発レポート 2026-01-15 │ │ │ │ ┌────────────┐ ┌────────────┐ ┌────────────┐ │ │ │ 5 commits │ │ 2 branches │ │ 3 members │ │ │ └────────────┘ └────────────┘ └────────────┘ │ │ │ │ ⭐ ハイライト │ │ • ログインページのデザインを刷新 │ │ • 検索機能の応答速度が向上 │ │ │ │ 🐱 コミネコ で自動生成 │ └──────────────────────────────────────────────────────────────┘ ``` Slackにはこのような図解レポートの画像が毎朝届きます。 --- ## 全体像 セットアップに入る前に、全体の構成を把握してください。 ``` あなたの GitHub アカウント ├── commit-report-tool ← このツール本体(GitHub Actions が毎朝動く) └── your-project ← 監視対象(あなたが開発しているリポジトリ) ``` この2つのリポジトリと、3つの外部サービスを組み合わせて動きます。 ``` commit-report-tool(GitHub Actions) │ ├→ GitHub API で your-project のコミットを取得 ├→ Claude API(Anthropic)でコミットを分析・図解生成 └→ Slack API で図解レポートの画像を投稿 ``` セットアップでは「ツール本体を GitHub に置く → 監視対象を設定する → 3つのAPIキーを登録する → 実行」の順に進めます。 --- ## 料金について このツールで使う外部サービスの料金です。 | サービス | 用途 | 料金 | |---|---|---| | GitHub Actions | 定期実行(トリガー) | 毎月 2,000 分無料 | | GitHub API | コミットデータ取得 | 無料(5,000 リクエスト/時) | | Claude API | AIによる分析・図解生成 | 事前チャージ制・従量課金(1回あたり約 $0.05〜0.20、$5 で約25〜100回分) | | Slack | レポート画像の通知先 | 無料ワークスペースで可 | --- ## このツールの4パーツ 第3回講義で学んだ「4パーツ」が、このツールではどのファイルに対応しているかを示します。 ``` ┌─────────────┐ │ トリガー │ .github/workflows/daily-report.yml │ (いつ動く) │ → 手動実行(定期実行はカスタマイズで有効化) └──────┬──────┘ ▼ ┌─────────────┐ │ ソース元 │ .claude/skills/github-api/scripts/ │ (データ) │ → GitHub API からコミットを取得 └──────┬──────┘ ▼ ┌─────────────┐ .claude/skills/code-analyzer/ ← ビジネス視点で分析 │ 処理する場所 │ .claude/skills/diagram-guidelines/ ← HTML図解を生成 │ (加工) │ .claude/skills/screenshot-capture/ ← 画像に変換 └──────┬──────┘ ▼ ┌─────────────┐ │ 届ける先 │ .claude/skills/slack-formatting/scripts/ │ (配信) │ → Slack に画像付きで投稿 └─────────────┘ ``` --- ## ファイル構成 ``` .claude/ ├── prompts/ │ └── daily-report.md # メイン処理フロー └── skills/ ├── code-analyzer/ # ビジネス視点での分析ルール ├── config-reader/ # 設定ファイルの読み方 ├── diagram-guidelines/ # HTML図解のデザイン │ └── examples/ # お手本HTML(5種類) ├── github-api/ # GitHub API 操作 │ └── scripts/ # コミット取得スクリプト ├── screenshot-capture/ # スクリーンショット撮影 │ └── scripts/ # Playwright スクリプト └── slack-formatting/ # Slack投稿 └── scripts/ # 画像まとめ投稿スクリプト configs/ ├── repos/your-repo.yml # リポジトリ構造定義 └── projects/your-project.yml # プロジェクト設定 .github/workflows/ ├── daily-report.yml # GitHub Actions 定義 └── report-job.yml # 再利用ワークフロー ``` --- ## セットアップ ### 準備するもの - **GitHub アカウント** - **Slack ワークスペース**(無料プランで可) - **Anthropic Console のアカウント + クレジットチャージ済み**(後述の Part D で使います) Anthropic Console(https://console.anthropic.com/)でアカウントを作成し、Billing(https://console.anthropic.com/settings/billing)で **$5 以上チャージ** しておいてください。チャージしないとツールが動きません。 > このツールは GitHub Actions が全自動で実行します。あなたのPCで `npm install` を実行する必要はありません。 ### Part A: ツール本体を GitHub に置く このツールのコードを、あなたの GitHub アカウントにアップロードします。 #### 手順1: GitHub に新しいリポジトリを作る 1. https://github.com/new にアクセス 2. **Repository name** に `commit-report-tool` と入力 3. **Private** を選択(APIキーの設定を含むため、必ず Private にしてください) 4. 「Add a README file」のチェックは**外したまま**にする 5. 「Create repository」をクリック #### 手順2: コードを GitHub にアップロードする Cursor で AI に以下のように依頼してください: > 「このコードを GitHub にpushして。リポジトリは `あなたのユーザー名/commit-report-tool` です」 AI が `git remote add` と `git push` を実行してくれます。完了したら GitHub のリポジトリページを開いて、ファイルが表示されていることを確認してください。 ### Part B: 監視対象のリポジトリを設定する レポートの対象にしたいリポジトリの情報を設定します。 #### 監視対象のリポジトリがまだない場合 GitHub で新しいリポジトリを作ってください。 1. https://github.com/new にアクセス 2. **Repository name** に好きな名前を入力(例: `my-web-app`) 3. **Private** を選択 4. **「Add a README file」にチェックを入れる** — コミットが1件もないとレポートを生成できないため、最初のコミットを自動で作ります 5. 「Create repository」をクリック #### 設定ファイルを書き換える **2行だけ書き換えてください。** 残りはそのままで動きます。 `configs/repos/your-repo.yml` を開いて: ```yaml repository: owner: your-username # ← ここをあなたのGitHubユーザー名に name: your-web-app # ← ここを監視したいリポジトリ名に ``` GitHubのURL が `https://github.com/yamada-taro/my-app` であれば、`owner` は `yamada-taro`、`name` は `my-app` です。 これだけでリポジトリ全体のコミットがレポート対象になります。 アプリ別の分類が必要な場合は「カスタマイズ」セクションで設定します。 ### Part C: Slack App を作成する 1. https://api.slack.com/apps にアクセスし「Create New App」をクリック 2. 「From scratch」を選択し、アプリ名(例: コミネコ)とワークスペースを設定 3. 左メニュー「OAuth & Permissions」→ Bot Token Scopes に以下を追加: - `files:write` - `chat:write` 4. 「Install to Workspace」→ 許可する 5. 表示される **Bot User OAuth Token**(`xoxb-` で始まる)をコピー 6. レポートを投稿したいチャンネルにボットを追加(チャンネル設定 → インテグレーション → アプリを追加) 7. チャンネルの **チャンネルID** を確認(チャンネル名を右クリック → チャンネル詳細 → 最下部に表示) ### Part D: GitHub Secrets を設定する 4つのシークレットを取得して、GitHub に登録します。各キーは**取得したらすぐメモ帳に貼り付けてください。画面を閉じると二度と表示されないものがあります。** GitHub Secrets の登録先: リポジトリの Settings → Secrets and variables → Actions → New repository secret #### Secret 1: `ANTHROPIC_API_KEY`(Claude API キー) > **注意**: 普段使っている Claude.ai(チャット画面)と Anthropic Console(API管理画面)は別のサービスです。APIキーの取得は console.anthropic.com で行います。Claude.ai の有料プランに加入していても、API利用料は別途チャージが必要です。 1. https://console.anthropic.com/settings/keys にアクセス 2. 「Create Key」をクリック → 名前(例: `komineko`)を入力して作成 3. 表示された `sk-ant-...` で始まるキーを**メモ帳に貼り付けて保存** 4. GitHub Secrets に `ANTHROPIC_API_KEY` として登録 > 「準備するもの」でチャージ済みですか?まだの場合は https://console.anthropic.com/settings/billing で $5 以上チャージしてください。チャージしないとツール実行時にエラーになります。 #### Secret 2: `GH_TOKEN`(GitHub Personal Access Token) 1. https://github.com/settings/tokens/new にアクセス 2. **Note** に `komineko` と入力 3. **Expiration** は `90 days` でOK 4. **Select scopes** で **`repo`** にチェック(リポジトリのスコープ。一番上にあります) 5. 「Generate token」をクリック 6. 表示された `ghp_...` で始まるトークンを**メモ帳に貼り付けて保存** 7. GitHub Secrets に `GH_TOKEN` として登録 #### Secret 3: `SLACK_BOT_TOKEN` Part C でコピーした Bot User OAuth Token(`xoxb-` で始まる文字列)を GitHub Secrets に `SLACK_BOT_TOKEN` として登録してください。 #### Secret 4: `SLACK_CHANNEL` Part C で確認したチャンネルID(`C` で始まる文字列)を GitHub Secrets に `SLACK_CHANNEL` として登録してください。 ### Part E: ローカル検証(オプション) GitHub Actions を動かす前に、設定が正しいか確認できます。Part B で設定した `owner` と `name` の値を使ってください。 **macOS / Linux:** ```bash # Node.js が必要です(AIに「Node.jsをインストールして」と依頼してください) GH_TOKEN=あなたのトークン node .claude/skills/github-api/scripts/get-commits.js あなたのユーザー名 リポジトリ名 ``` **Windows(コマンドプロンプト):** ```cmd set GH_TOKEN=あなたのトークン node .claude/skills/github-api/scripts/get-commits.js あなたのユーザー名 リポジトリ名 ``` コミットデータが表示されれば「ソース元」の設定は正しいです。 ### Part F: GitHub Actions を実行する 1. リポジトリの「**Actions**」タブを開く 2. **左サイドバー**から「**Daily Commit Report**」(または `.github/workflows/daily-report.yml`)をクリック 3. 画面**右上**の「**Run workflow**」ボタンをクリック → ドロップダウンが開くので、緑の「**Run workflow**」ボタンをクリック 4. 黄色(実行中)の表示が出たら、数分待ってください 5. 緑(成功)になったら Slack にレポートが届きます > 過去に失敗した実行が赤く表示されていることがありますが、それは古い記録です。新しく「Run workflow」で実行すれば問題ありません。 ### チェックポイント - [ ] Slack チャンネルに図解レポートの画像が届いた - [ ] レポートに自分のリポジトリのコミット情報が含まれている --- ## アーキテクチャ このツールは Claude Code の **Skills** 機能を活用しています。各スキルが特定の役割を担い、メインプロンプト(`daily-report.md`)がそれらを順番に呼び出します。 ``` daily-report.md(メイン処理フロー) │ ├→ config-reader 設定ファイルを読み込む ├→ github-api コミットデータを取得する ├→ code-analyzer ビジネス視点で要約する ├→ diagram-guidelines HTML図解を生成する ├→ screenshot-capture HTMLをPNG画像に変換する └→ slack-formatting Slackに画像を投稿する ``` ### 生成されるレポート(5種類) | レポート | 内容 | |---|---| | **昨日の開発** | 統計情報(コミット数、ブランチ数)とハイライト | | **ブランチ詳細** | 各ブランチの作業内容(1ブランチ1枚) | | **アプリ別** | アプリごとにグループ化された変更一覧 | | **タイムライン** | 時系列での作業履歴 | | **ワンポイントTIPS** | 変更内容に関連する豆知識(オプション) | ### 設定ファイルの2層構造 ``` configs/repos/your-repo.yml ← リポジトリ内のアプリを定義(共有) ↑ 参照 configs/projects/your-project.yml ← どのアプリを対象にするか(個別) ``` この分離により、1つのリポジトリ定義を複数のプロジェクトから参照できます。 --- ## カスタマイズ ### アプリ別の分類を設定する(モノレポ対応) `configs/repos/your-repo.yml` の `apps` セクションを編集: ```yaml apps: - id: your-app path: "src/app/" # ← このディレクトリのコミットが対象 name: "あなたのアプリ名" short_name: "App" icon: "smartphone" # Lucide アイコン名 color: "blue" # Tailwind CSS 色名 category: "main" ``` 不要なアプリ定義は行ごと削除してください。 ### 定期実行を有効にする `.github/workflows/daily-report.yml` の `schedule` ブロック(2行)のコメントを外す: 変更前: ```yaml # schedule: # - cron: '0 22 * * *' # 毎日7:00 JST(有効にするにはコメントを外す) ``` 変更後: ```yaml schedule: - cron: '0 22 * * *' # 毎日7:00 JST ``` `# ` を削除するとき、**先頭のスペース(インデント)はそのまま残してください**。`schedule:` の前にスペース2つ、`- cron:` の前にスペース4つが必要です。時刻は UTC で指定します(`0 22 * * *` = 日本時間 翌7:00)。 ### ワンポイントTIPSを無効にする `configs/projects/your-project.yml`: ```yaml tips: enabled: false ``` ### 図解のデザインを変更する `.claude/skills/diagram-guidelines/examples/` 内のHTMLを編集すると、Claudeが生成するレポートのデザインが変わります。 --- ## セキュリティ - **リポジトリは Private に**: APIキーが含まれるため、公開リポジトリにしないでください - **GitHub Secrets**: すべてのAPIキーは GitHub Secrets に保存されます。コードに直接書かないでください - **Slack Bot Token**: Bot Token Scopes は `files:write` と `chat:write` のみに制限してください - **GH_TOKEN**: Personal Access Token は `repo` スコープのみ必要です --- ## 困ったとき 1. **まずAIに聞く**: Cursorで「セットアップで〇〇のエラーが出ました」と伝えてください 2. **GitHub Actions のログを確認**: Actions タブ → 失敗したジョブ → ログを読む 3. **よくある問題**: - 「**Credit balance is too low**」→ Anthropic Console(https://console.anthropic.com/settings/billing)でクレジットをチャージする。APIキーがあってもチャージしないと動きません - 「**404 エラー**で Secrets の設定ページが開けない」→ ツール本体のリポジトリが GitHub に push されていない可能性があります。Part A を確認してください - 「**Actions 画面がずっと赤い**」→ 過去の失敗記録が残っているだけです。新しく「Run workflow」で実行してください - 「コミットがない」→ 対象日のコミットがないか、リポジトリ名が間違っている - 「not_authed」→ SLACK_BOT_TOKEN が間違っているか期限切れ - 「Bad credentials」→ GH_TOKEN が間違っているか期限切れ 4. **Slackで相談**: ADS Slackの質問チャンネルに投稿してください --- ## 技術スタック | 項目 | 選定 | 理由 | |---|---|---| | 実行基盤 | GitHub Actions | 無料枠2,000分/月、並列Job対応 | | AI実行 | Claude Code Action | Skills機能で知識を分離・再利用 | | 図解生成 | HTML + Tailwind CSS | Claude が生成しやすく、デザイン品質が高い | | スクリーンショット | Playwright | Headless対応、GitHub Actionsで動作確認済み | | 通知 | Slack API | 複数画像をまとめて投稿可能 | --- ## 参考 - [Claude Code Skills](https://docs.anthropic.com/en/docs/claude-code/skills) - [Claude Code Action](https://github.com/anthropics/claude-code-action) - [Slack API - files.getUploadURLExternal](https://api.slack.com/methods/files.getUploadURLExternal)